妄想駄文☆閲覧注意!
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しーみあ

Author:しーみあ
19XX年生まれ。
「若い」というカテゴリには分類されなくなってきたお年頃。

好きなもの:

 酒 美味しい食事 漫画 小説 映画 60s~90s洋楽  RPG 

かなりの漫画好き。主に青年誌中心に読み漁っていたけれど、最近プラトニックな少女マンガにハマる。回帰願望か?!

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日に日に、苦しさが増す。
この苦しさは、何だ?

いや、自分で、気づいてる。

キョーコに対する罪悪感。
過去の自分に対する嫌悪感。
そして、キョーコにまとわりついている、「ヤツ」に対する焦燥感。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



『今日のゲストは「京子」さんでーーす!』

司会の紹介とともに、スタジオ内に響きわたる歓声。
セットの扉が開き、「京子」が笑顔を振りまきながら、中央に出てきた。

キョーコが主演しているドラマ「Love is....」は平均視聴率20%をはじき出していた。
ドラマはクライマックスを迎え、CMはひっきりなしに流れ、番宣は連日のように行われているので、女優「京子」をテレビで見ない日はなかった。

 久しぶりに見るキョーコ。
 テレビ画面に映るキョーコは、キレイだった。
 艶のある茶色い髪は肩まであり、顔が動くたびサラサラと揺れる。
 淡い桃色のワンピースは、華奢なボディラインを可愛らしく彩って。
 
 実際に会うことはほとんどない、オレとキョーコ。
 テレビを通して、その姿を見るのが、毎日の楽しみになっていた。

『京子さんは、ドラマでは高校生役ですが・・・ご自身も、もうすぐ高校卒業ですよね?』
『あっ、ハイ・・・そうなんです』
『確か京子さんは19歳ですよね・・・?』
『ええ、女優を目指して上京して、高校に行かずに俳優養成所に入って・・・でも、事務所の社長さんのご厚意で、やっぱり高校に通うことになって。おかげさまで、3年で卒業できることになりました』
『ははあー やっぱり実力派俳優と呼ばれる京子さんだけあるエピソードですね!中学卒業ですぐ女優さんを目指して
いらっしゃったなんて・・・!』

 ドラマの番宣でのトーク。
 
 いらねーことを聞きやがって!

 年齢なんてわざわざ聞くなんてばかじゃねーのあの司会!!!

 質問の内容が、キョーコ自身の高校卒業の話題になり。
 キョーコが一浪状態で卒業する原因を作ったのは自分であるので、耳の痛い話だった。

 女優「京子」が高校を一浪状態になっている原因・・・もちろん本当の理由は伏せられている。
 「俳優を目指していて養成所に入ったせい」というのは、他の番組でもきいたことがあったので、おそらく、事務所主導でそういう後付理由が作られているのだろう。
 今や19歳にして実力派女優の仲間入りをしている『京子』にとっても、都合の良い理由だった。

 
 尚は、去年高校を卒業している。
 卒業後、本格的に仕事オンリーになった生活。
 今は、日本に留まらず、アジアツアーを開催し、そのすべてが即日ソールドアウト。
 19歳にしてアジアに不破尚あり、という状態は、芸能界での成功をおさめた、と言っても過言ではないだろう。


 しかし、尚の心は満たされていなかった。

 



 その理由は・・・もちろん。

 テレビ画面に映る、その人。

 女優『京子』




 オレの、おさななじみ・・・・・・・「キョーコ」。







 「尚ー。そろそろ出番よ!」

 がちゃ、と楽屋のドアを開けて、マネージャーの祥子が顔をのぞかせた。

 「おう」

 テレビでは、女優『京子』が番組内でのクイズに参加している。
 
 「あら、キョーコちゃんじゃない。・・・・また一段とキレイになったわねえー。人気あるのもうなずけるわ。」

 意味ありげにチラッと担当歌手の顔を見れば。

 ふっ。と口角を上げて笑う男。

 「そうだな」

 「あら、素直な反応ね・・・・」

 ゆっくりとリモコンを持ち、画面に向ける。名残惜しそうに、ゆっくりと・・・・電源ボタンを押す。
  
 
『京子』の顔が画面アップになったところで、画面はブチッという音と共に消えた。


 「そういえば、この雑誌で、キョーコちゃん、カノジョにしたい芸能人3位にランクインしてたわよー!やっぱり
ドラマも主演やりだすと違うわねえー」

 そう言いながら、鞄からすこしはみ出ている雑誌を指差す。

 尚の視線は、暗くなったテレビ画面に向けられたまま。


 「そうそう、ショーは2位だったわよ!抱かれたい芸能人ランキング。オメデト」

 ぴくっと反応し、視線だけを祥子に移す。

「・・・・・・・・めでたくねえよ。んなの、2年くらい前からだろ。それに・・・・・・・・・1位はどうせ変わってねーだろ」

 
「いわずもがな、ね」

 「へ!」

 
 ガタン!と、目の前にあったローテーブルを蹴るように、ソファーから勢いよく立つと、そのまま楽屋を後にした。


 祥子は尚の出て行った楽屋のドアを見つめ、そして自らの鞄に入っていた雑誌に目をやる。


 抱かれたい芸能人ランキング。

 1位 敦賀蓮
 2位 不破尚

 カノジョにしたい芸能人ランキング。

 3位 京子

 
 数年前より、トップに君臨する実力派俳優。
 人気急上昇中の若手実力派女優。
 
 そして、アジアを代表するカリスマシンガーに成長した、あの子。


 こんなビックネームの3人の関係が、いわゆる「トライアングル」だなんて・・・
 マスコミにバレたら、ワイドショー総なめ必須よね。

 頭をよぎった思いに、ふっ、と笑みをもらし、鞄から車のキーを取り出すと、「ちょっとまってよ尚ー」と、小走りに楽屋を後にした。




 つづく。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
言い訳コーナー。


後悔して、悶々とキョーコを想う尚に萌える管理人。
そんな妄想がいっぱい詰まったssが、スタートしてしまいました。
暖かく見守ってやってくださいませ・・・。
 

 
 

 
 

 
 

 

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 もうすぐ、高校を卒業する。
 入学するときの社長とのやりとりに想いを馳せながら、ドラマの主人公の衣装を脱いで、制服に着替える。
 収録が早い時間で終わったので、これから学校へ向かう予定。
 この制服を着るのも、もうすぐ終わりなんだなあ・・・。
 そう思うと、残り少ない高校生活が一分一秒でも惜しく感じてしまう。



 高校にも行かず、ショータローに尽くしていた私。
 アイツがふつーに高校に入っていたことを知ったときは、はらわたが煮えくりかえそうになったっけ。
 
 でも、今となっては、そのことはどーでもよくなっている。
 いや、やっぱどーでもよくはないんだけど!
 
 社長や、事務所の皆や、モー子さんや、マネージャーさんや・・・・・・敦賀さん。
 色んな人に出会って、この業界で頑張れた。
 暖かい皆がいたからこそ、高校にも通い続けることができたんだと思うから。

 あのバカに対する恨みよりも、みんなに対する感謝の方が上回っている、っていう感じで。

 もちろん、芸能界においてショータローに完全勝利するっていう目標は消えちゃいないけど。
 芸能界に入って4年。
 アイツとは、立つジャンルも全然違うから、勝った負けたを比べられないっていうのもあるし。
 なにより・・・・・やっぱ、すごい、よなあ。
 昔から、「ショーちゃんはかっこいいだけじゃなくて、才能あるよ!私にはわかるもん!」ぬわ~~んて言っちゃってたりしてただけに(過去の自分を回想してトリハダっ!!!)、アジア圏でもトップセールスのカリスマミュージシャンになっている現状に、「やっぱりね」と思う自分もいたりするのよね・・・・。
 至極、客観的に、第三者的に見て!!歌がうまいかどうかっていうと・・・・

 うまい、と言わざるを得ない、わね。
 男性ボーカルなのに、妙に色っぽい歌い方。これは、ここ数年の間に獲得したもので、ファン層は拡大した様子。
 特に、ショーのバラードは定評がある。
 切ない歌詞に、切ないメロディ。

 ドラマの主題歌で使われないクールはなく。音楽番組での「泣ける歌ベスト10」「ラブソングベスト10」なんかでは、必ず上位に数曲入っているし。

 アイツの曲だから、っていうのがあって、街中で流れていても、意識して聞かないようにしているんだけど、それでも耳に残るサビの部分は、確かにステキな曲だった。
 
 
 3年前なら、こんな風に考えることすら、体が拒否していただけに・・・。
 私も、成長したの、かな。
 敦賀さんの言葉を思い出す。

 「復讐なんて意味ないよ。それより、自分の人生をちゃんと考えたら・・・・?」
 
 この言葉が、本当の意味で、実感できてきた気がする今日この頃。

 「俺も、最上さんと並んで人生歩けるよう、頑張らないとな」
 
 ん?

 「最近の最上さんの人気、すごいね。男性ファンかなり増えたみたいだし・・・気が気じゃないよ」

 んん??

 かつての回想と共に、最近の敦賀さんのセリフも一緒になって蘇ってきたんだけど・・・・。
 な、なんか、意味深よね・・・?
 敦賀さんってば、ほんと、「そういう」セリフが簡単に言えちゃうんだから!
 私じゃなかったら、完全に勘違いしちゃうところなのに!

 うん!今度会ったら、釘を刺しとこう!
 「そういうセリフは、本当に大切な人のためにとっておいてください!」って。

 

 グルグル考えながらも、身支度を終え、楽屋のドアを開けると・・・・

 「うわっ!」

 「・・・・・・・っとと!!」

 相手も、ちょうどこの楽屋に入ろうとしていたようで。

 その目の前にいたのは・・・・


 「ショータロー!!??」

 「よお。・・・・シゴト、終わったんだろ。ちょっとつきあえよ」

 相変わらず、横柄な態度で私を見下ろす、「おさななじみ」だった。

 話がある、と言われて、半ば有無を言わさずテレビ局の駐車場に引っ張ってこられ。
 ジャガーの助手席に押し込められて。
 車を走らせること30分。
 着いたのは、閑静な住宅街の一角にある西洋の白い洋館風のレストランカフェだった。

 開放感はあるけれど、各座席は個室風になっていて、芸能人御用達の店なのだと、ショーが言った。
 
 これから学校なのに!と憤っていたけれど、私の好みのストライクゾーンなカフェに連れてこられて・・・・。
 もうここまで来たんだし、せっかくのオシャレなカフェの雰囲気を壊すのも野暮よね、と思い直して、ヤツの話を聞くことにした。

 「コーヒーと、アフタヌーンティーセット」

 注文を聞きにきたウエイターに、間髪いれずそう答えるショータロー。

 「ちょっと!私にも選ばせなさいよ!」

 「うっせーな。時間ねーんだろ?オレのチョイスに間違いはねーんだよ!」
 
 そうなのだ。ここをあと30分くらいで出ないと、最後の授業には間に合わない。
 ああ、なんであのとき、「少しくらいなら」って応えちゃったんだろ。
 最近は卒業間近だし、授業に遅れたくないから、余裕をもったスケジュールにしていたのが仇になったかしら。

 「・・・・・・最近仕事、どうだ?」
 「・・・はあ?なによ、それ言いたくてわざわざ呼び出したわけ?」
 「相変わらず可愛くねーなー。話の取っ掛かりの決まり文句だろーが」
 「アンタに仕事のことを心配される筋合いはないわよ」

 いつもの調子でギャーギャーやっていると、ウエイターが注文した品を持ってきた。
 コーヒーと・・・・・

 「きゃあーーーー なにこれーーーーっ」
 ショータローが勝手に注文した品は・・・

 またもや、私の好みの、直球ストライク!ど真ん中!
 ベルサイユ宮殿でアントワネットが使用していたんじゃないかと思われるくらいの、ゴージャスなアンティークのティーセットに、お皿が三段重ねになっていて、小さなパンとプチケーキとフルーツが、可愛らしく盛られていた。こちらもアントワネットに相応しい感じのプリティ・ゴージャス感。

 「どうだよ、文句あったかよ?」

 「・・・・・・・ない」

 ショータローがしてやったり、といった顔で私を覗き込んできたので、すっかりベルサイユ宮殿にトリップしていた自分を呼び戻し、平常モードの顔を急いで作った。

 「オマエ、メシ食ってないだろ。早く食えよ」
 「え・・・ あ、うん。せっかくだからいただくわ」

 どうして私が食べてないこと知っているんだろう?まあいいわ。せっかくのアントワネットのアフタヌーンティー(今、命名)ですものね!いただかずしては帰れないわ!

 「きゃーーーーーー おいしいぃぃぃぃぃ~~~ あっ!こっちのケーキもーーーー」

 しばらく食べることに夢中になっていたら。

 「オマエ、ほんとかわんねーな、そういうトコだけは」
 
 ショーの言葉が降ってきた。

 な、なによ。その目。
 目ぇ細めて微笑んじゃって。
 ここ最近、たまにそういう顔するわよね、アンタ。
 なにを企んでいる顔なのよ?それは。
 
 アンタとは(不本意ながら)長い付き合いだけど。
 実は機嫌が悪いとか、お腹痛いとか、笑いをこらえてるとか、ちょっとの表情も全部わかるけど!
 
 あたしの記憶に、その表情(かお)のデータは、ないわよっ!!!

 なによ!それっ!


 きゅう、と喉が鳴って。
 さっきまで美味しく頂いていたケーキの味が・・・急に、しなくなった。
 
 目の前に座っているのは、たしかに「ヤツ」なのに。
 私が16歳まで、大好きで、尽くして。そして私を捨てて。
 生涯かけて復讐を誓った、「おさななじみ」の不破尚、本人に違いないのに。

 どうして?
 私の知っている、ショータローじゃない気がする。

 

 



 そんな風に、慈しむようなな顔で、私を見るアンタなんて知らない。


 




 違和感に飲み込まれ、急に落ち着きがなくなった私に気づいたのか、ショータローが話し始めた。

 「こうやって呼び出したのはさ、言っておきてーことあったからなんだけどさ」

 「・・・・なによ?」

 


 暫く、視線はテーブルの上を彷徨っていたけれど、やがてまっすぐに私を見据えて。

 




 「・・・・・高校のこと。もうすぐ卒業なんだってな。オレが言えた義理じゃねーけど。おめでとう」

 
 ちょっとバツが悪そうに、はにかんだ。







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アフタヌーンティーはどっちかってーとフランスよりイギリスですよね(汗)
読み返してやや違和感(滝汗)
まあ、とっさにキョコたんが思いついた、そのままってことで。ペコリ。
 どく、どく、どく、どく、どく。

 心臓がうるさい。

 キョーコ相手に、なに緊張してんだ、オレ。

 キョーコは、何か変なものでも見たような、不可解な顔をして、オレを見ている。
 手に持ったティースプーンは、紅茶をかき混ぜる途中でストップしているし。

 いや、怯むな、オレ。
 ここまでの反応は予想どーりじゃねーか。

 せっかく、このシチュエーションまでこぎつけたんだ。

 今、もう一歩進んどかねーと、今度はいつ機会があるかわかんねーぞ。

 オレがキョーコに近づこうとすると、いつもさりげなく邪魔をする「あのヤロー」が、絶対にキョーコの傍にいない時間帯で、かつオレの空き時間が重なるこのタイミングを調べ上げるのに、どれだけ苦労したことか!
 奴は売れっ子俳優だから、色々なテレビ局やスタジオで仕事をする。俺も業界では顔が広いから、各々のプロデューサーやスタッフから、奴の仕事のある日程を聞き出し・・・。ジグソーパズルのように埋め合わせて、調べたわけだが・・・・。
 俺が驚いたのは、奴の行動パターン。仕事と仕事の合間、1時間、いや30分でも時間が空けば、キョーコの近くにいる。距離的に不可能な場合は、キョーコに電話がかかってきている。最早ストーカーの域だ。
 オレと話をしている間に電話が鳴れば、キョーコは当然のように電話に出るし、話どころじゃなくなるから。奴が絶対に電話ができない、生放送の収録中というこの時間帯を、ようやく掴んだわけだ。

 幸いにして、キョーコはまだ、奴の気持ちに気づいていない。
 だが、2,3年前より、奴の行動は、より「しつこく」「直接的に」なっているのがわかる。さすがのキョーコも、意識しだすのも時間の問題だろう。

 抱かれたい芸能人ランキング1位の座なんて、どーでもいい。くれてやるよ、アンタに。

 でも、コイツだけは、オレのもんだから。
 黙って持ってかれるわけにはいかねーんだよ!!!


 

 「・・・・・そんなこと言えた義理じゃないってこと、わかってるんだ?アンタも多少は成長したようね」

 オレの、言葉の裏にある真意を見透かした上で、それ誤魔化すように、キョーコは悪態をつきながら言った。
 だが、オレだってダテに、オマエのおさななじみを長年やってたわけじゃねーんだぜ。

 ほら、ティースプーンを置く手がわずかに震えてる。
 動揺している証拠、だな。

 



 「オレ、さ」





 
                   まっすぐ、キョーコの瞳の奥を暴くように。






  「今まで、好きなよーに生きてきて、後悔なんてしねー主義だったけど」






                    視線は外さない。外させない。






 「いまは、ひとつだけ、あるんだ。後悔してること」






                      伝えるんだ。この想い。
 





 「お前を手放したこと」






                       どうか届いてほしい。






 「今は本気で後悔してる」





 
                     オレが閉ざしてしまった心の扉だけど






 「お前が必要だって、マジ身にしみた」




 
                何年かかっても、元のオマエを取り戻してやりたい。







 「やりなおせないか」






                  お願いだ、キョーコ。もう一度チャンスをくれ!!!





 













「おまえのことが、好きだって、気付いたんだ・・・・・」






 授業終わりのチャイムが鳴る。
 ガヤガヤと周りの生徒が席を立つ音で、我に返った。
 授業なんて、まったく頭に入ってこなかった。
 アイツの・・・・ショーの言葉が、視線が、頭の中をリフレインして。


 好きだって言った。私のことを。
 後悔してると。
 やり直したいと。


 ずるい。
 どうして今更、そんなこと言うの。
 どうして、そんな目で私を見るの。
 やっと、アンタの呪縛から逃れて、自分の足で、自分の人生を歩き始めようとしていたのに。
 過去を思い出させないで。
 ガラスの靴を持って私を迎えにくる王子様を本気で信じていたあの頃の私を、思い起こさせないでよ!!!

 
 あのあと。
 何も考えられなくなって。とにかくその場から離れたかった。
 私の知らない、ショータローの熱を含んだ視線から逃れたかった。

 無言で席を立って帰ろうとした私を、ショータローが慌てて引きとめようとしたけど、振り切って店を出た。
 タクシーを捕まえて、追われている何かから逃げるように乗り込み、学校まで来た。

 予定通り、授業には出たけど、頭の中は、ショータローの言葉に支配されてしまっていて、それどころじゃなかった。
 ううん、アイツに言われたことだけじゃない。

 私、どうして何も言い返せなかったんだろう。
 「今さら何よ!」とか「アンタなんてお断り!」とか。ひどい言葉で罵って、こっぴどく振ってやることだってできたはず。そうすれば、私の復讐心も満たされるはず、なのに。
 アイツの目に引き込まれて・・・・言葉が出なかった。
 
 ・・・・そして、泣きたくなってしまった。

アイツの言葉を、心のどこかで、待っていたかのような、その心情。
それが、一番、自分でも信じられなくて、苦しい。

いいえ、これは、過去の私の残像。ショータローが総てだった頃の自分の細胞が、ほんのひとかけら、残っていて、それがザワついているだけ。きっとそう。

これ以上深く考えまいと、ぶんぶん!と大きく頭を振って、勢いよく席を立ったそのとき。

 ブブブブブ・・・・
 
 携帯が振動した。

 そこには・・・・・「非通知」の表示。

 今、なぜか一番会いたくない人の顔が、私の頭をよぎった。








*****





 今日は分刻みのスケジュールで忙しく、電話をする暇もなかったから、まだ彼女の声を聞けていない。
 いつもはちょっとした休憩くらいあるんだけれど、どうしてそんなにも詰まったスケジュールだったかというと、実はこのため。

 俺は今、最上さんの高校の近くに車を止めている。
 
 「お疲れ様です、敦賀さん!どうなさったんですか?」
 
 電話の向こうの愛しい人の声。ここ数日、忙しくて、君に会いに行く暇がなかったけれど、社さん経由の情報で、今日君は学校の後仕事がないと知って。
 明日から3週間の海外ロケに入るから、君に会えるのはこのタイミングしかないと知り、ここ数日の総てのスケジュールを繰り上げた結果、休憩ナシの殺人的スケジュールになってしまったけれど。
 君に会うためなら、なんてことないんだよ。


 「今、学校の近くまで来てるんだ。今日はもう予定ないだろう?食事でもどうかと思ってね」




 最上さんを連れてやってきた、俺のマンション。
 どこかレストランにでも・・・・・と思っていたけれど、車に乗り込んだ最上さんの顔色は悪くて。どこか、ひどく疲れているように見えたので、急遽行き先を変更した。外で会うより、家のほうがくつろげるし、話もゆっくりできる。
 しかし、家につくなり、「私、何か作りますね!敦賀さん、どうせちゃんと食べてないんでしょう?」と、俺が止める間もなく、逃げるようにキッチンに入ってしまった最上さん。

 どうも、様子がおかしい気がする。
 まあいい、後で、ゆっくり聞きだすとしよう。
 俺も、心に決めた、話さなければならないことがあるし・・・・・。

 「そういえば敦賀さん、明日から暫くアメリカに行かれるんですよね?すごいですよねー日米合作映画の主演だなんて!」

 最上さんの作ってくれた美味しい料理を食べながら、他愛のない話をしていると、不意に彼女から、明日からの話が振られた。これは好機、と内心思うも、顔には出さない。

 「そうなんだよ。3週間の長期になるものは久しぶりでね。暫く最上さんに会えないと思うと寂しくておかしくなりそうだよ」
 「・・・・・・・・・・ななななななにをおっしゃいますか!冗談も程々にしてくださいっていつも言ってるじゃないですか!」
 「冗談じゃないよ」

 覚悟を決めて、この日を迎えた。
 ついに来たんだ、この時が。
 
 もう、誤魔化さない、繕わない。
 俺の正直な、ストレートな気持ち。

 どうか君に届きますように。

 
 「・・・・・もうすぐ卒業だね。卒業式に、記念になるものを贈りたいと思っていたんだけれど、生憎このロケとぶつかってしまって、卒業式当日には渡せそうにないから」

 最上さんに見えないように、自分の傍らに隠し置いてあったソレをテーブルの上に置く。

 「これ・・・・受け取って欲しい」

 最上さんが好きそうな、ハートがモチーフのキーホルダー。ピンクのスワロスフキーが散りばめられているようなキラキラしたデザイン。一見、女子高校生向きの雑貨屋に雑然と置いていそうなものだが、実は散りばめられているキラキラの石はスワロスフキーではなく、使われている金のチェーンもメッキではなく、総て『本物』だったりする・・・・ことは内緒。デザインも、わざとチープな感じになるよう、特注した。明らかに高そうとわかるものだと、彼女は受け取らないだろうから。
 
 「うわ~~~!!カワイイ~~~!いいんですか!??ありがとうございますぅぅ!!!大事に使いますね!!!」
 俺の目論見は当たり、すんなり受け取ってくれた最上さん。
 でも、俺の真意にまだ気付いていないあたり、やっぱり鈍いんだな。ま、そこが可愛いんだけど。

 「あのね?メインは、キーホルダーじゃなくて、こっちなんだけど」
 
 ニッコリと微笑みながら、キーホルダーの先に付いている鍵を指で指し示す。

 「え・・・・・?」
 「これはね、この部屋の鍵。君の分だよ」











ああ、彼を絡めまいとしても、絡んでくるよ・・・・・。
仕方ないよね、キョコたんじゃあねw

尚キョのはずが、気を抜くと自然と蓮キョになってしまうあたりが、彼の底力のすごいところ(笑)

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