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しーみあ

Author:しーみあ
19XX年生まれ。
「若い」というカテゴリには分類されなくなってきたお年頃。

好きなもの:

 酒 美味しい食事 漫画 小説 映画 60s~90s洋楽  RPG 

かなりの漫画好き。主に青年誌中心に読み漁っていたけれど、最近プラトニックな少女マンガにハマる。回帰願望か?!

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 俺の担当俳優『敦賀蓮』は、このところすこぶる機嫌が良い。
 
 何故なら・・・・・ずっと想っていた相手と、ついに『ゴールイン』するからだ。
 電撃婚約発表から一週間。
 未だに『敦賀蓮』と『京子』に関する記事は、芸能誌を賑わせている。
 
 楽屋に誰かが置き忘れた週刊誌。そこにも当日の婚約発表会見の様子が詳細に載っていた。それを眺めながらため息をつく。
 いや、もちろん、俺も嬉しいんだけど。
 今までさんざん、キョーコちゃんに合わせた蓮のスケジュールを組むよう脅されたりしてたから、それから開放されると想うと、安堵のため息が出るんだけれど。
 このため息はそれだけじゃないんだ・・・・・・・・。

 「社さん、おまたせしました。行きましょう」

 コンコン、というノックの音と共に、俺の担当俳優が顔を出す。
 24歳。まだまだ年齢的には若い部類に入るのに、落ち着き度がアップしたせいか、風格は完全に「大物俳優」である。


 「あれ、その記事」
 「ああ、蓮とキョーコちゃんのこと載ってるよ」

 軽いため息と共に雑誌をテーブルに戻す。

 「・・・・何か?」

 俺の顔があまり明るくないことに気づいた蓮が訊ねてきた。・・・・これは言うチャンスかもしれないな。

 「いや・・・・。二人の恋愛ごとに口を挟む権利はないんだけどさ。これでいいのかなって」
 「・・・・・どういう意味です?」
 「蓮、お前がキョーコちゃんと正式に『お付き合い』を始めたのは何月だ?」
 「4月ですね」
 「で、婚約発表は?」
 「見てのとおり、5月ですよ」
 「一ヶ月足らず、だよな?」
 「はい。それが?」
 「~~~~。いや、いいんだよ。俺は、蓮がキョーコちゃんに対して想ってきた日々を知っているからな。約4年か?よく我慢したと思う。ただ、キョーコちゃんの方はどうなのかなって」
 「・・・・・・・・・・・・・」

 表情が若干曇る。ああ、やっぱりな。

 「傍から見てて、キョーコちゃんも蓮のことが好きなのはわかっていたけど。でもあの天然記念物なキョーコちゃんのことだ。いわゆる「お付き合い」を始めて1ヶ月もたたないうちに婚約発表って・・・。心の準備とかできてるのか?」
 「・・・・・ちゃんと彼女と話し合って出した結果ですよ?」
 「いや、そりゃそうだろうけど。お前のことだから、色々外堀固めて、イエスとしか言えないような状況作って迫ったんじゃないかと」
 「なんですかそれは。そんなわけないですよ」

 
 ははは、と乾いた笑いで返す目の前の男。それは肯定の意ととるぞ、俺は。


 「ズバリ言おう!お前はまだ、キョーコちゃんと最後までしてないだろう!!!」
 
 「!!」

 「そして、あのキョーコちゃんのことだ!『結婚前の男女がこーいうことするなんて破廉恥です!』とかなんとか言われたんだろう!!」
 
 「!!!!」
 
 「それなら『結婚すれば問題ないんだね?(キュラレスト)』とかなんとか言って、半ば強引に今回の婚約発表に至った!!!どうだ、間違ってないだろう!!!!!」


  びしい!と人差し指を突きつけてみれば。

 
 「・・・・・・さすが、俺の敏腕マネージャーですね」
 苦笑交じりに肯定する、俺の担当俳優。
 

 うーん。抱かれたい芸能人ナンバー1の俳優がこんな情けない顔してるなんて・・・・。うちの事務所のトップシークレットだよ、ホント。

 「まあ、俺も男だ、気持ちは痛いほどわかるよ。でもさ、こういうのって、焦ったらうまくいくものも、うまくいかなくなるんじゃないかと思ってな。おにーさんとしては心配なわけだ」
 「そうですね・・・・・」
 
 しゅん、とうなだれる目の前の男。こういうときだけは、ああ、やっぱり年下なんだなあ、と思える。
 好きなコに無意識に意地悪をしてしまい、その自覚すらなかった4年前。当時の恋愛レベルが小学生並みだとすると、4年後の今は、ようやく中学生レベル、といったところか・・・?いずれにせよ、相手が「あの」キョーコちゃんだから仕方がないといえばそうなんだが。

 「まあ、発表してしまったわけだし。これからは、色々キョーコちゃんの動向に気を配って、うまく結婚までもっていくしかない、か。なんかあったら言えよ?こう見えて29歳相当の恋愛経験は積んできてるからな!」
 「はい、その時はよろしくお願いします」

 極上スマイルで微笑み返す、目の前の男。
 心配だけど、まあ蓮だし大丈夫だろう、なんて思っていたんだ。
 
 


しかし、俺はこのとき、よりによって重要最事項を軽んじていた。
 相手はあの、奇想天外発想の超天然記念物・キョーコちゃんだってことに。












蓮キョはじめました。ぺこり。
今やってる「AISURU~」が、まだまだ終わりそうにないので、軽くSSでも、と思って書き始めたのですが・・・・。ああ、私ってSSの才能ない。長くなりそうな予感です(涙)。
蓮キョって、素敵サイト様の素敵創作がいっぱいあるので、私的にネタがあまり思いつかない。そして、思いついたとしても、なぜか蓮キョの場合は須らく18禁的なものに(笑)。恐るべし「敦賀蓮と書いて夜王と読む男」!タイトルが「AISURU~」と似てますが、繋がってはいないです。たぶん。きっと。


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 「京子さん!このたびはおめでとうございます!」
 「普段は敦賀さんのことを何と呼んでいるんですか!?」
 「お子さんは何人欲しいですか?!」

 今度出る映画の製作発表会。主演女優・京子の婚約発表後とあって、記者からの質問は、映画そっちのけ状態。黒崎監督は苦笑に、他の大御所俳優さんなどはしかめっ面。
 人気ナンバー1俳優との婚約発表は、それまで交際の報道もなかったため、取材合戦は日夜白熱していた。
  「映画に関係のないご質問はご遠慮ください!」
 司会の窘めも暖簾に腕押し状態。
 キョーコは、女優・京子としての笑顔を崩さず、当たり障りのない受け答えを考えるのに精一杯だった。

 「今日はお疲れさん」
 「黒崎監督・・・・どうもすみません」
 会見場の舞台裏で、心底申し訳なさ気に頭を下げるキョーコ。

 「まあ、メデタイことなんだし、気にすんな。明日のワイドショーは映画の内容そっちのけで『京子・敦賀蓮との交際を語る』一色だろーがな!わっはっは。」
 笑いながら、あくまで冗談ぽく言う黒崎。しかし京子にとっては冗談では済まされない。
 「本当にすみません!!!」

 「本当に反省してるのかしらねえ・・・」
 京子の横を通り過がりに、ボソっと呟く女性。西條貴美子。芸能歴30年のベテラン女優だ。京子を見るでもなくそのまま通り過ぎてしまった。
 「あらら、大御所女優さんはご機嫌斜めだねえ」
 キョーコの顔は青くなる。
 「まあ、婚約発表の時期をもうちょっと考えてほしいっつーのはあるんだろうな。あの敦賀蓮が結婚するってんだ。発表したら、他の総ての話題は霞んじまうだろーな。主演張ってんならそこらへんも計算しろよ、ってなとこなんだろ」
 「・・・・・・・!!!す、すみませ・・・」
 「ま、監督の俺がそう気にしちゃいねーから、安心しな。俺の作品は、ワイドショーでの宣伝が少ないぐらいじゃー揺るがねえからな!」
 かっかっかっ、と豪快に笑いながら、控え室に戻っていく監督。彼なりの励ましだったのだろう。しかしその後ろ姿を見たまま、キョーコは動けずにいた。



 わかっていた。こういうことは予想できた。
 でも、本当にはわかってなかった。
 彼の、敦賀さんの影響力のすごさを。

 婚約発表をしてからというもの、色々なものが、人が、動いた。
 まず、敦賀さんからのファンの嫉妬のレターやメール。私たちの関係を執拗に探る芸能記者。それを防ぐのに奔走する事務所の人たち。
 記者会見をしてから今日まで、敦賀さんにも会えていない。今まで交際報道がされてこなかった分、なんとしてもプライベートツーショットを取りたい記者たちが、色々なところに張り込んでいるからだ。

 電話は、毎日してくれる。
 「ごめんね?毎日大変だよね」
 「何かあったらすぐに言ってよ?」
 「早く最上さんに会って抱きしめたいよ」
 謝罪と励ましと甘い言葉。
 それらを聞くたび、自分は愛されているのだなと実感できる。

 ・・・と同時に。自分はとんでもないことをしでかしてしまったのでは?という後悔に似た思いに、時々襲われる。


 敦賀さんは今や、ハリウッド映画にも出演し、アカデミー賞助演男優賞候補にまでなっていた。本格的な米国進出、そしてハリウッドで主演を獲る日も近いと言われ、今や完全に日本を代表する世界的俳優。・・・・そんなすごい人が、私なんかと結婚?
 
 
 未だに、冗談のようにしか思えない。


 高校を卒業するくらいから、自分の気持ちに気付いた。
 それでも、恋なんて愚かな感情をもう一度抱いてしまった自分が許せなくて、すごく悩んだ。
 この気持ちは打ち明けない、墓場まで持っていく・・・。そう決意していたのに、敦賀さんから「好きだ」と告白されて。恋人のようなキスもされた。
 うっとりするような眼差しで見つめられて。「結婚しよう」とも言われた。

 
 信じられなくて、夢のようで。
 いつかこの夢が覚めるんじゃないか、と怖くなる。
 夢にしても、あまりにも出来過ぎているくらい。

 

 夢が覚めてしまわないうちに。
 お姫様は王子様と末永く幸せに暮らす。
 そのゴールを早く手に入れたくて。
 敦賀さんのプロポーズに、二つ返事の勢いで受けてしまった自分。

 でも、現実はやっぱり甘くないと教えてくれる。

 敦賀さんは、紛れもない王子様。

 
 ただし、私は────────────────お姫様、じゃないのよね。



 コンコンコン!

 忙しないノックの音で、はっと我に返る。
 控え室のドアを叩く音。来客だ。

 「はい、どうぞ・・・・って!」
 「よ。たまたまオレもここでこれから出演あってよ」

 


 それは、かつて、私はお姫様じゃないと知らしめた、かつての王子───


 不破松太郎、もとい、不破尚だった。



 「すげー騒ぎだな。仕事に影響出てねーの?」
 「よ、余計なお世話よ!」

 
いきなり、核心をつかれて焦ってしまう。
 なんとなく不機嫌な様子の尚は、控え室にあったポットにから勝手にお茶を注いで飲み始めた。

 
「それより、何の用?これから帰るところなんだけど?」

 お茶の入った紙コップ片手に、どかっと座りだす尚をみて、苦々しげに言い放つ。
 
 

「落ち込んでるんじゃねーかって思ってさ」
 
「え・・・・?」

「この騒ぎだろ。お前、基本的に自分より他人優先だろ。さっきの記者会見だって、お前の話題ばっかりでさ。共演のジジイババア共、キレてたぜ」

 「・・・・・・・!!」
 
さっと血の気が引くのがわかった。さすがに皆さん大人で、あからさまな態度は先ほどの西條さんくらいだったけれど。面と向かって言われるほうが、まだいい。私の知らないところで、よっぽど不満がたまっているんだろう・・・。

 「でもよ」
 
声のトーンが若干柔らかくなって、尚の手が私の肩に軽く載せられた。
 
「お前だって、覚悟決めたんだろ?そーいうのは気にする必要ねーよ。言いたい奴には言わせとけ。・・・・・ま、そーいうわけで。なんつーか。いちおー言っとかねーとと思ってな。・・・・・・・オメデトサン。幸せになれよ」
 
「!・・・・ショー・・・」

 
思いがけない、ショータローからの、励ましとお祝いの言葉。
 婚約発表をしてから、誰からも言われていなかった言葉。そして、欲しかった言葉。
 アンタから聞けるなんてね・・・?
 

今まで張り詰めていた糸がぷつり、と切れたような気がした。
 

「っ・・・・っく・・・ ふぇ・・・・っ」

涙が、次から次へと、溢れて。止められない。
静かな部屋に、私の嗚咽する声だけが響く。

 
「キョーコ・・・・」
 
 
次の瞬間。ものすごい力で引き寄せられて。
 私はショーの胸の中にいた。


 何が起きたのか、わからない。
 わかるのは、私を強く強く抱きしめる腕の圧力と、鼻をくすぐるショーの後ろ髪。
 そして、どこか懐かしい、香り。


 「オレは、いつまでも、待ってるからな」

 耳元に息がかかった。
 その言葉の意味を理解してはいけない・・・・そうどこかで警鐘が鳴っていた。








えっと。こちらは、蓮キョです、はい。そのはず、です(笑)
蓮とキョコたんがたとえ結婚しても、尚はキョコたん愛を貫いて独身でいてほしいです!!
それが一度はキョコたんを捨てた報い・・・っていうと言いすぎか?w

蓮・・・いつ出てくるかな・・・(汗)




いつも一緒にいた。
ぶっきらぼうで、素直じゃなくて。
でも、私が一番辛いときは、なぜか決まって傍にいた。
昔から、私の『ギリギリ』を察知するのが、うまいのよね、アンタって。


そう、今、この時のように。


あの頃は、私の隣にずっといてくれるのは、ショータローだと信じて疑わなかった。
でも、今は・・・・私の隣に居るべき人は、敦賀さん。私が、それを望んだ。

 

 なのに、なぜ?
  
やっぱり、昔みたいに、こうしているのは────────



  



 あのあと、ショータローは、何事もなかったかのように「じゃ、時間だから行くわ」と控え室を去っていった。
 私も次の仕事が入っていたので、会場を後に、次の仕事場であるテレビ局へ。
 最近増えたバラエティー番組の収録。
 正直、こんなときに明るい笑顔で受け答えするのはツライ。
 特に、敦賀さん関連の質問は。

 「ほんっっとーーーーに羨ましいわー。あの敦賀さんと結婚だなんてー」
 「敦賀さんって普段どんな感じなんですか?」
 「デートはどこへ?」
 「いつもはなんて呼び合ってるの?」

 番宣もそこそこに、話題のほとんどは敦賀さんとのこと。
 でもそうなると、うまい答えが出ない。
 
 普段どんな感じ?うーん・・・最近はかなりの高確率で夜の帝王が降臨なさるけれど・・・そしてそれがものすっっごく苦手で逃げまくってるのよね・・・・って、そんなこと言えないし。
 デート・・・は私が敦賀さんのお宅におじゃまするくらいで。それも最近の忙しさであまり行けないし。
 いつもの呼び方は・・・「敦賀さん」「最上さん」よね。付き合う前と変わっていない。敦賀さんは「蓮って呼んでいいんだよ」って言うけれど、恐れ多くてそんなこと呼べやしない!敦賀さんも「最上さんのこと・・・名前で呼びたいけど、抑えがきかなくなりそうだから・・・・・・ゴニョゴニョ」とか良くわからないことを言って、結局まだ「最上さん」なのよね。婚約発表までした仲なのに、なんだか変・・・・よね。未だに先輩後輩の関係が抜けていない状態っていうか・・・。

 
 つい先ほどの収録を思い出しながら、楽屋へ向かう廊下の途中で深くため息をつく。
 そう、何が苦手って・・・・色々聞かれても、私だってそんなに敦賀さんのこと、知らないから、答えようがない場合が多いこと。お互い仕事が忙しくすれ違いが多くて。恋人同士しか知らないようなことって、私と敦賀さんの間には、あまりないような気がする。

 これがショータローなら・・・・腐るほどあるんだけれど。
 一般のファンが知らないような、トップシークレット。
 笑い上戸でプリン好きで単純バカでオレ様でナルシストで・・・・・・・・・。

 

 ・・・・・・・・って私!!!なに考えてるのよ!!!
 
 さっきのアレで、ちょっと調子狂ってるのよね、きっと。

 バシバシ!と両手で自分の頬をビンタする。
 

 ああ、なんか調子狂うわ!早く帰って、敦賀さんにもう一度電話してみよう!
 昨日から、電話をかけているけどすれ違いで、ちゃんと話ができてなかった。
 ついさっきもかけてみたけれど、出たのは留守番電話サービスの無機質な声。

 






早く敦賀セラピーを受けないと、私、なんかおかしいわ。






・・・・・・アイツのせいで。











すみませんー 皆様ご無沙汰してました!
ちょっと7月、予想外のことが色々起こり、6月に引き続き忙しくなってしまいました!!

本誌感想とかも色々書きたいのに・・・

とりあえずいろいろがんばります。



上の空で廊下を歩いていくと、私の楽屋前に、誰かが立っているのが目に入った。
 うわ・・・すごい美人。

 身長170センチはあるだろう長身。艶やかな長い髪はブロンドでゴージャスなウェーブ。ハーフだろうか。佇まいや髪をかきあげるしぐさが外国人のそれだ。豊満なバストだけどいやらしく見えないようなコーディネイト。10人いたら10人が振返る美女だった。

 私に気付くと、はっとしたような顔をし、それからじっくりと、私の上から下まで視線を送った。品定めされてるみたい・・・。

 「京子さんね?はじめまして。私、篠津木綾香と申します。ちょっと個人的なことでお話があるの。・・・・よろしいかしら?」
 
 上品な笑顔。だが、NOとは言わせない、といった迫力があった。

 「あ、ええと・・・・これから本番なのであまり時間はないのですけど・・・10分くらいなら」




***




 「どうぞ」
 
 突然の訪問者の来意がわからないまま、とりあえず楽屋備え付けのポットからお茶を出した。
 手をつける素振りも見せず、綾香は自分のバッグからタバコを取り出すと、断りもなく勝手に火をつけた。仕方なく、無言で灰皿を差し出すキョーコ。
やや暫くの沈黙。じっとキョーコを見据えて、女は口をひらいた。

 「このたびは、おめでとうございます。あの敦賀蓮さんと、ご婚約なさったそうですね」
 「え、ええ・・・・ありがとうございます」

 なんだろう。にこやかな笑顔でお祝いの言葉を受けているのに。違う何かを感じる。
 「会見の記事、読みましたわ。四年前に知り合ったんですってね。四年間ずっと片思いだった、なんて蓮は言ってたみたいだけど・・・信じられない話ね」

 『蓮』とさらりと言ったそれを、キョーコが聞き逃すはずがなかった。瞬間、体が硬直する。
 
 「ねえ、京子さん。あなた、四年前以前の蓮のこと、どれだけ知っているの?」
 「え・・・?どれだけ、って・・・」
 「たとえば。付き合った女性とか」
 「・・・・・・敦賀さんくらい素敵な方、付き合った女性がいないわけないですよね。そんなこと、いちいち聞きません」
 「あら、さすが。余裕ね」
 さも驚いた、というような、とってつけたような驚きの表情を浮かべる目の前の女。キョーコは怒りが湧いてくるのを感じたが、かろうじて押しとどめていた。

 「私、蓮の元恋人なの。もちろん寝たわよ、彼と」

 心臓が、ぎゅっと鷲掴みにされたようだ。
 手が、小刻みに震え出す。それを気取られまいと、必至に力をこめて震えをとめようとする。

 「嘘だと思うなら、蓮に聞いてみていいわよ。今から・・・そうねえ、7年くらい前かしら?私ね、モデルをやっていたんだけれど、アメリカを拠点にする仕事の話があって。蓮も連れていこうと誘ったんだけど、頑なに拒否されちゃってね。そこで関係は終わり。あっさりとしたものだから、心配しなくていいわよ」

 人差し指と中指でタバコを弄びながら、ニッコリと優雅に微笑む目の前の女。

 一体、何をどうしたいんだろう?
 いいえ、わかってる。私と敦賀さんとの関係を壊そうとしているんだわ。
 婚約発表から今日まで、周囲のやっかみに晒され続けたことが、逆にキョーコを強くしていた。

 しゅっと姿勢を正し、女優・京子も負けじと優雅な微笑みを湛えた。
 「敦賀さんが、私の知る以前からモテていたっていう話は、貴女から聞かずともわかりきっていることですから。そうでないと、ナンバー1俳優の座になんて座っていられませんもの。私としては、むしろ自慢の恋人です」
 
 勝った。そう思った。
 私は敦賀さんに最終的に選ばれてたのよ。自信を持たないと。こんな過去の女に負けてなるものですか!

 


 しかし─────。

 

 「そう。じゃあ、蓮が日本人じゃないことも、当然知っているんでしょうね?」

 



 「─────え?」

 「あら、その反応は、知らなかったみたいね?」
 クスクス笑う目の前の女。
 



 何?一体、何を言っているの?




 「はっきりパスポートを見たわけじゃないけれど。でも間違いないわ。彼、私と付き合っていたころは17歳くらいだったと思うけど。言葉の端々に、外国人訛りの片鱗があったのよ。普通の人は気付かないレベルだったと思うけど。私、ハーフなのよ。だからなんとなくわかったわ」


 得体の知れないものが、私を覆いつくそうとしている感覚。
 
 やめて、もう聞きたくない。

 「おそらく、16か17で日本に来たって感じね。外国で長く暮らしていたことは間違いないと思うわ。・・・・・・信じられないって顔ね?」

 クスクスと笑う女の声が、耳障りで。
 思わず耳を塞いでしまおうとするのを必死で堪えた。

 「彼の目ね、あれ、黒いカラーコンタクトよ。もとの目は青か緑か・・・いずれにせよ色素が薄いわね。・・・・なんでそんなことわかるの?って顔ね。ふふ、わかるわよ。しょっちゅうキスするくらい顔を近づけていれば、ね」
 心臓を鷲掴みにされたような感覚だ。
 吐き気もする。
 もう、目の前の女を睨み付ける余裕もなくなり、視線は下方の宙を彷徨ったまま反応しなくなった私に飽きたのか、タバコの火をもみ消した。

 「なんだか、総てが初耳って感じね。それはこっちが驚いちゃったわ。蓮の過去、まるで知らないのね。そんなんで結婚するだなんて・・・・蓮もどういうつもりなのかしらね」

 最後の一撃。
 足元から、何かが崩れていったような気がした。
 地震でも起きているかのような錯覚。きっと私は今震えているだろう。

 「あらあら、なんだか私が悪いこと教えちゃったみたいね・・・・・。でもね、逆よ。『先輩』としての忠告なのよ、これは。蓮は誰にも心を開いたことはないわ。連が興味があるのは俳優という仕事、それだけ。だからこそ、短期間で一流の俳優になれたのでしょうけど。私と付き合っていたときも、蓮は私を見てなんかいなかった。そうね、私だけじゃなく、誰も信用していなかった、ってところかしら。恋人をつくるのも生理的欲求の延長って感じさえしたわね。もしかして結婚も・・・・・・っと、まあ、いくらなんでもそれはないでしょうけれど。ただね、そんな彼と結婚までして・・・・あなた自身とあなたのキャリアが傷つかなければいいけれど、ね」

 ふふふ、と笑いながら、女はじゃあそろそろ、とかなんとか去り際の言葉を残して控え室を去っていった。
 私は、もう、言い返すことさえ出来ず、ただ手を握り締めて宙を見つめるしかなかった。


 



 そこにいるのは、もう、女優・京子ではなく。

 かつてラブミー部に所属していた、最上キョーコでしかなかった。














本誌でも、蓮自身、過去に彼女がいたことを明らかにしていますし。
そんなわけで、キョコたんと一緒になる前にこういう一波乱あったら、という妄想でしたw

敦賀蓮なら、こんな性悪女とつきあわないだろうけど、久遠なら・・w
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