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しーみあ

Author:しーみあ
19XX年生まれ。
「若い」というカテゴリには分類されなくなってきたお年頃。

好きなもの:

 酒 美味しい食事 漫画 小説 映画 60s~90s洋楽  RPG 

かなりの漫画好き。主に青年誌中心に読み漁っていたけれど、最近プラトニックな少女マンガにハマる。回帰願望か?!

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 敦賀さんが海外ロケに出発してから二日。
 イコール、衝撃の告白を聞いてから二日。

 
 あれからあまり眠れていない。辛うじて仕事はこなしているけど、仕事以外の時間帯の私は思考回路停止状態。
 
 今日はドラマの告知のためにバラエティー番組に出演した。
 ふんわりとしたシフォンのワンピースに、9センチヒールのミュール。こんなに高いヒールは普段履かないので歩き辛いけれど、そこは女優・京子。仕事中の身のこなしは完璧だったと思う。でも、いい加減足が痛い。早く脱いでしまいたくなって、収録が終わり楽屋に戻ろうと廊下を早足で歩いていると。

 
 「キョーコちゃん?」
 「・・・・!祥子さん!お久しぶりです・・・・って、え!!そのお腹って・・・!」

 
 階段にさしかかる手前で声をかけてきたのは、不破尚のマネージャー祥子さん。
 ・・・・となると、アイツもこの局内にいるってことね、と眉間にしわが寄りかけたけれど、目の前の女性が大きなお腹の、いわゆる「妊婦さん」だったので、今会いたくないアイツのことは、頭から追いやられてしまった。

 「あら、尚から聞いてなかったのね。私、同じ事務所の人と、去年結婚したのよ。この歳でできちゃった婚で恥ずかしいんだけど。で、もう臨月ってわけなの」
 ぺろっと舌を出して笑う目の前の女性は、とても幸せそうで。
 
 「え、ええ、っていうかアイツとなんてそんなに会ってないですから」
 「・・・あらあ、そうなの?・・・ふふ、まあいいわ。キョーコちゃんに会うのって久しぶりよね?私はテレビでよく見るけれど。最近すごく売れてきて忙しいみたいだしね?」
 「おかげさまで。でも私なんてまだまだです。それより、今更ですが、おめでとうございます!」丁寧なおじぎをしたあと。
 
 「あの、まだマネージャーやってらっしゃるんですか?」
 はちきれんばかりのお腹で、両脇にバッグを抱えている姿を見た。今にも生まれてきてもおかしくない状態に見える。
 「ええ、でも来週には、産休をいただくことになっているの。今、代わりのマネージャーを探しているところなんだけど、これがなかなか・・・尚のお眼鏡に適う人材がいなくって・・・。尚は、私が戻るまで一人で大丈夫だなんて言うけどそんなわけにいかないし・・・」
 「あのバカ、この後に及んでまだ我が儘言ってるんですか!?」
 アイツの我が儘に振り回されてきた過去が一気に蘇り、怨キョが背後で浮遊し始める。
 
 私の顔色が変わったのを見て、祥子さんが慌てて手を振った。
 「ち、ちがうのよ!尚が我が儘ってわけでもないのよ。・・・・・ほら、以前ビーグールから楽曲盗まれた事件あったでしょ。恥ずかしい話、今は同じ事務所でもそういう不穏な動きがあってね・・・。尚は不敗神話作っただけあって、やっかみもあるのよね・・・。なかなか信用できる人が、ね・・・」
 
 三年前の、ビーグルの事件が脳内に蘇る。
 また、ああいうことがあるんだ・・・・。しかも今度は同じ事務所内で。

 私もこの数年、芸能界の裏の顔を見てきたから、わかる。
 ちょっとでも弱いところを見せれば、足を引っ掛けようと罠を張っている輩がいるという事実。
 私は演技力が売り物だから、盗まれるようなことはないけれど・・・。
 ミュージシャンは違う。
 もちろん、本当の売り物は「才能」だけれど。
 ショータローのような、「シンガーソングライター」は詩と曲も大事な商売道具。
 盗まれてタイミングを計られて発表されたら、こっちが盗作疑惑をかけられかねない。

 
 苦労してるのね・・・・アイツも。


 「祥子さん!どこいって・・・・・・・・あ。」

 
 局の廊下で立ち話状態になっている私たちに、背後から声がかかった。
 声で、もうわかったけれど。

 
 振り向くと、そこにいたのは、シルバーアクセサリーとピタっとしたエナメルの黒服に身を包んだ『不破尚』その人だった。

 

 「・・・よお」
 「・・・・アンタ!事情は聞いたわよ!早く祥子さんを休ませてあげないでどーするのよ!こんなに沢山荷物もたせて!!!」
 
 怨キョを動因し、アイツの顔にビシ!っと人差し指を突きつけてやれば。
 
 「キョ、キョーコちゃん!いいのよ、これは私の仕事なんだし!それに尚は普段は荷物をほとんど持ってくれてるわよ」
 
 ただならぬものを感知し、あせってフォローする祥子さん。
 
 「・・・・そうだよ、祥子さん、コイツの言うとおりだよ。もう産休入ってよ。俺は大丈夫だからさ。今日のこの仕事でおしまい、ってことで!」
 「そうは言っても尚、あの話もあるし・・・」
 「いいから!・・・・祥子さんがそんなに心配なら、今すぐではないけど、ちゃんとマネージャー自分で見つけるから。・・・な?いいだろ、それで」


 なんか、私の入れない雰囲気。
 あの我が儘言いたい放題のショータローが、他人を気遣う発言があるなんて・・・。
 
 
 祥子さんを心配げ見つめるショータロー。

 彼女の肩にかかっていたショルダーバックを取り上げて、自分の肩にかける。

 「そうは言ってもね、ショー。あなたの多忙なスケジュールを管理するのは容易じゃないわよ」と食い下がる祥子さんの背中にそっと手を添える。
 
 他人を慈しむ眼差し。

 



 ちくん。

 



 ・・・ん?なに?
 
 この胸の・・・・痛み?




 「あ、あの、私はここで失礼しますね。ショー、あんたあまり祥子さんを困らせるんじゃないわよ!祥子さんも、どうかお大事にしてくださいね!」

 
 なんだか、急にいたたまれなくなって。
 胸に湧き出た感情に蓋をしてしまいたくなって。
 

 私はその場を離れようとした。
 彼らに体を向けたまま、数歩後ずさって。

 くるっと振り返り、一歩踏み出そうとした瞬間


 「きゃ」
 「ばっ・・・・・!!!」

 
 ショータローの「ばか」と言いかけた大声と同時に。






 視界が揺らいだ。

 ドダダダダダン!!!
 
 


 私は階段を踏み外し、頭から前のめりに無様に落ちてしまっていた。

 

 ああ、慣れないミュールなんて履いたから・・・・?
 
 私ったら、今日スカートなのに。ああ、パンツ丸見えになっちゃってるかも・・・。

 



 って・・・・あれ?痛く、ない。

 

 階段から落ちた瞬間、ぎゅっと目を瞑ってそんなことを考えていたけれど。
 いつまでたっても来るべき痛みがこない。

 
 あれ?

 
 「キャーーーーーーー!尚ぉぉぉーーーーー!!!!」
 悲鳴のような祥子さんの声。

 
 あれれ?

 
 恐る恐る目を開けて見れば。


 私を庇うようにしっかり抱きしめて、一緒に階段の踊り場に転がっている、ショータローが、私の下にいた。



 「・・・・・・!!!!な、なにやってんのよおおお!?」
 「・・・・・・・・・・っいてて・・・。てめー、それが助けてやった人に対する態度かよ?」
  
 ばっ!と勢いよく跳ね起きた私。

 「尚!大丈夫っ!!!」
 祥子さんが青ざめた顔で、階段の手すりにつかまりながら慎重に降りてきた。

 「キョーコちゃんも!怪我はない?」
 「あ、はい!私は全然大丈夫、です。けど・・・・」
 ちろっとショータローを横目で見る。

 「・・・・・わりぃ、祥子さん」

 倒れこんだときと同じ体制のままのショータローが言った一言が、私の運命を決定付けたと言ってもいいかもしれない。

 「なんか足うごかせねーわ。右手も。・・・・折れてるかも」
 
 へへっ、と、悪戯が見つかった少年のように、笑った。
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